適切なサービスで重要になる傾聴力と観察力

現場で利用者に適切な介護サービスを提供できるようになるためには、以下のことがポイントになります。介護では個々の利用者の希望に応じて、満足のいくサービスを提供することが重要です。しかし、ある利用者にとっては適切だったとしても、同じことを他の利用者にしても満足してもらえないことも少なくありません。ですから、個別対応を適切に行えるようにするためには、まず相手の希望を正しく理解することが大切です。したがって、傾聴力と観察力の両方のスキルを兼ね備えている人の方が、現場では広く活躍しやすくなるでしょう。

個々の利用者がどんな希望を持っているのかは、ヒアリングが基本になるため、傾聴力が欠かせません。ただし、高齢者の中には、自分の希望を表現するのが苦手な人や、何かを頼むのに抵抗感を持っている人もいます。また、コミュニケーションを図るのが困難な人もいるので、そのようなケースでは十分な傾聴力があったとしても利用者の希望を理解できるとは限りません。ですから、そんなときは観察力が重要になります。

観察力があれば希望を口にできない利用者に対しても適切なサービスを提供できる可能性が高まります。利用者の様子をよく観察し、こんな手助けを必要としているのではないだろうかと予測をすることで、希望に添えるようなサービスを推測します。また、観察力があれば、利用者の体調不良をはじめとした異変にもいち早く気づけるので、介護職にとってはとても重要なのです。